歌舞伎の祖・出雲の阿国が「かぶきをどり」を演じたとされる京・四条河原に建つ南座は、元和年間(1615~1623年)に官許された七つの櫓(芝居小屋)の歴史と伝統を受け継ぐ唯一の劇場として、江戸時代から今日まで歌舞伎発祥の地で悠久四百年に亘り歌舞伎を上演し続けてきた、日本最古の歴史を有する劇場です。
明治39年(1906年)より白井松次郎、大谷竹次郎の松竹合名会社が経営にあたり、大正2年(1913年)に改築。
昭和4年(1929年)に当時の技術の粋を尽くして竣工した現在の南座は、官許の証である櫓を備えた桃山風破風造の外観を特徴とし、日本を代表する劇場のひとつとして、 戦前、戦中、戦後の混乱期にも演劇の灯を絶やすことなく、建築以来八十余年の風雪に耐えて皆様に愛されて参りました。
京都の歴史的景観に溶け込んだ名建築は、国の登録有形文化財に登録され、京都市の歴史的意匠建造物にも指定されています。
日本を代表する文化都市・京都に立地し、日本最古の歴史を持つ劇場、南座の価値を最大に活かして、伝統を次代へ継承し、発展させることをコンセプトに、「伝統的な古典芸能」から「新たなライブエンタテインメント」まで年間を通して幅広い文化を国内外へ発信する劇場へと、新たに生まれ変わります。
(取材日:2018年)
平成3年 新装開場時の南座
平成3年(1991年) 内部を全面改修し、最新設備の近代劇場として改築されました。その当時の外観です。
(取材日:1995年)
正面の大提灯
平成3年に新装工事が行われた南座ですが、この大提灯は以前からのものだそうです。京都人には待ち合わせ場所の目印としてもなじみ深い提灯です。
(取材日:1995年)