豊臣秀吉が愛児の鶴松を弔うために建てた祥雲禅寺跡に、紀州根来山の智積院を移したのが興りです。
広大な寺域を誇り、利休好みの庭といわれる中国の盧山を形どって造られた池泉鑑賞式庭園は一見の価値があります。斜面を利用した植え込み、滝とその石組みなどが名庭と称され、庭自体は小さな面積にもかかわらず、他に類のない雄大さと重厚味を感じさせ、その反面小さなもの特有のきめの細い所も見せてくれます。特に5月下旬から6月下旬のサツキの頃がおすすめです。
また、収納庫では、長谷川等伯一門の描いた障壁画が展示公開されており、「楓図」、「桜図」など桃山文化の華麗な美術に出会うこともできます。
(取材日:1995年)
庭園
石組と植込とが交互に並び、何とも言えない風情を感じます。
(取材日:1995年)
庭園
石橋より奥の方は桃山時代の特色である自然石のみを用いてあります。奥行きのある野生的な雄大さ勇壮さを感じさせます。
(取材日:1995年)