和銅6年(713)、行基が元明天皇の勅願により、五穀豊穣、産業の興隆を祈願する葛井寺(かどのいでら)として建立した野が始まりです。その後天長6年(829)、空海の弟子にあたる道昌が、虚空蔵菩薩像を安置して、法輪寺と称したと言われています。
法輪寺は別名「嵯峨の虚空蔵(こくぞう)さん」と呼ばれて親しまれており、本尊の虚空蔵菩薩は芸能上達のご利益があるといわれます。本堂などは明治以降の再建で、見晴台からの京都市街の眺めが大変素晴らしいのですが、この見晴台の開閉が不特定とのことです。
また、毎年3月13日~5月13日に行われる「十三参り」は、13歳になった子供が厄除けと知恵を授かるためにお参りするものです。お参りが済んだ後、後ろを振り返ると知恵が本堂に帰ってしまうという言い伝えがあるため、着飾った子供たちはコチコチになりながら渡月橋を渡って家路につくということです。
(取材日:1995年)