足利3代将軍義満が夢窓疎石(むそうそせき)を開山に、10年の歳月をかけて築いた臨済宗相国寺派の大本山で、京都五山の第2位に列しています。応仁の乱(1467~)による焼失で一時荒廃しましたが、豊臣家、徳川家により再興されました。しかし天明の大火(1788)により、豊臣秀頼が慶長10年(1605)に再建した法堂だけが残っただけで、後は大がかりな再建はされませんでした。現在の建物は文化年間(1804~18)に再建されたものです。
法堂は現存する法堂では最古のもので、天井には狩野光信による巨大な「蟠竜図」が描かれています。この蟠竜図の天井の下で手を打つとよく反響することから、「鳴き竜」や「泣き天井」とも呼ばれています。法堂の東側にある開山堂は文化4年(1807)の再建で、御所の旧構を移したものといわれており、夢窓国師像が安置されています。
相国寺境内にある承天閣美術館は、相国寺建立600年を記念して創設されたもので、相国寺や塔頭、末寺の金閣寺・銀閣寺の国宝や重要文化財、重要美術品の数多くの文化財を収蔵・展示しています。
(取材日:1995年)
法堂(重要文化財)
(取材日:1995年)
鐘楼
大晦日の夜にはこの大きな鐘楼でも除夜の鐘がつかれ、京の町々に響きわたります。
(取材日:1995年)
宗旦稲荷社
千宗旦に化けたという狐の伝説が残る稲荷社で、開運の御利益があるといわれています。
(取材日:1995年)
承天閣美術館
展示品の江戸時代の画家伊藤若沖による襖絵「葡萄図」「月夜芭蕉図」は必見です。
(取材日:1995年)
御歯髪塚
法堂の西側にある後水尾天皇の御歯髪塚ですが、これより中に入ることはできません。
(取材日:1995年)
大光明寺
塔頭の一つ大光明寺の枯山水庭園、思わず瞑想にふけってしまいそうな静かなお庭です。
(取材日:1995年)
瑞春院
水上勉の小説「雁の寺」の舞台となったところで公開されている塔頭の一つです。
(取材日:1995年)