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常照寺は、元和2年(1616)日蓮宗中輿の祖といわれる日乾上人が、本阿弥光悦の土地寄進を受けて開創した鷹峰檀林(仏教の学問所)の旧跡で、旧山城六檀林の一つです。かつては広大な境内に30余棟の堂宇が並び、多くの学僧が学び、賑わっていました。
学問寺である一方、天下の名姑として有名な吉野太夫ゆかりの寺としても有名です。光悦の縁故により日乾上人に帰依し、僅か年齢23歳の時に朱塗りの山門を寄進しています。それが今に残る「吉野門」です。吉野は容色の美はいうに及ばず、和歌、連歌、俳句、書、茶湯、香道、囲碁などあらゆる諸芸に優れ、その名声は遠く中国にまで喧伝されたということです。また夫である豪商灰屋紹益とのロマンスも有名で歌舞伎の演目になっているほどです。
また太夫を偲んで植えられたという吉野桜が満開の頃の4月の第3日曜日には、島原の太夫道中や境内の随所に野点茶席が設けられる「花供養」が行われます。
(取材日:1995年)
本堂
本堂に掲げられている扁額「旃檀林」は日潮上人の筆によるものです。
(取材日:1995年)
茶席遺芳庵
大きな丸窓は吉野が好んだことから「吉野窓」と呼ばれています。
(取材日:1995年)
吉野太夫の墓
歌舞伎俳優や芸能人など訪れる人が多いとのことです。
(取材日:1995年)
帯塚
女性の心の象徴「帯」に感謝し祈りを捧げる為に建立されたものだそうです。
(取材日:1995年)