浄土真宗本願寺派の本山で、親鸞聖人の娘・覚信尼が東山に聖人の木像を安置して御影堂を開創したのが始まりです。しかし、勢力の増大にともなって他宗派からの反発を買い、2度も破壊され、各地を転々とし、天正19年(1591)豊臣秀吉の寺地寄進により現在の場所に移りました。また慶長7年(1602)には徳川家康より寄進を受けた教如上人が東本願寺を建立したため、本願寺は東西に分かれ、当寺は西本願寺と呼ばれています。
堀川通に築地塀を巡らし、門前の堀川を掘割に見立てて築かれた城郭のような大寺院です。親鸞聖人の木像を安置した御影堂や、阿弥陀如来像を安置する本堂は江戸時代に再建されたものです。また絢爛豪華な壁画・襖絵が飾られている書院や現存する最古の能舞台(国宝)、聚楽第から移されたという飛雲閣、美しい彫刻に魅せられて日の暮れるのも忘れるという唐門の日暮門など、華麗な桃山文化を伝える建築物が立ち並ぶ見どころの多い寺院です。
(取材日:1995年)
掘割
掘割に見立てた堀川ですが、川の水はありませんでした。
(取材日:1995年)
対面所
この奥、上段・下段あわせて203畳もある対面所があります。
(取材日:1995年)
渡廊下
御影堂と阿弥陀堂をつなぐ廊下に屋根瓦の展示物があります。
(取材日:1995年)
水吹き銀杏
度重なる火災の際、枝先から水を吹き御影堂を守ったといわれています。
(取材日:1995年)
北能舞台(国宝)
聚楽第から移したと伝わる現存最古の能舞台です。
(取材日:1995年)
唐門
見事な彫刻と豪華な飾り金具が施された四脚門です。
(取材日:1995年)