二条陣屋は、江戸時代初期の寛文年間(1661~72)に建てられた、京都に屋敷を持たない大名の上洛中の宿泊所になった建物です。
大名の身の安全を守るためのカラクリを持つ部屋を備えており、建物は外部がすべて土蔵造りとなった完全な防火建築になっています。内部の大座敷には明かり取りに見せかけた武者だまりや、畳をあげると能舞台となる能の間、部屋全体を苫船に見立て天井を屋形船様に造った蘇鉄の間など、24室ある各部屋にはそれぞれ抜け穴・落し階段・釣梯子など忍者屋敷さながらの工夫が凝らされています。
数寄屋造り・書院造りを折衷した特異な町家建築で、主屋と土蔵2棟が国の重要文化財に指定されています。
(取材日:1995年)
からくり屋敷
一見普通の建物ですが、巧妙な仕掛けには驚かせられます。内部は写真撮影禁止になっています。
(取材日:1995年)