壬生といえば新撰組を思いおこしますが、この寺は「壬生狂言」でも有名な庶民的なお寺です。平安時代、三井寺の僧がこの地に地蔵菩薩を安置して堂を建てたのが始まりで、後に地名にあやかり壬生寺と称しました。延命・厄除けの地蔵菩薩として信仰が厚く、節分の時には大勢の参拝者でにぎわいます。また、境内には壬生塚があり、近藤勇の胸像や新撰組隊士の供養塔、芹沢鴨ら隊士の墓などがあります。
壬生狂言とは、正しくは「壬生大念仏狂言」といい、鎌倉時代より壬生寺に伝わる京の伝統芸能で、壬生寺の中興の祖、円覚上人が仏の教えを庶民にわかりやすく説くためパントマイムで伝道したのが始まりです。鉦・太鼓・笛の囃子に合わせてすべての演者が白布で頭と顔を包み仮面をつけて一切「せりふ」を用いず無言で演じられます。国の「重要無形民俗文化財」にも指定されています。
毎年4月21日~29日と、秋にも3日間境内の狂言堂で行われます。
(取材日:1995年)
壬生塚
実際に新選組が駐屯していたのはこの北側にある建物ですが、彼らは壬生寺の境内にて武道の鍛練に励んだそうです。
(取材日:1995年)
近藤勇像
新選組総長・近藤勇の胸像。折鶴やお花などにぎやかなお供え物が目に付きました。
(取材日:1995年)
掲示板
「新選組にはまってまーす」「沖田さんの個人誌作りました」というチラシには驚き。新選組のファン層の広さを痛感します。
(取材日:1995年)
壬生狂言
鉦・太鼓・笛の「ガンデンデン」の独特の囃子に合わせて演じられ、思わずそのユーモラスな世界へ引き込まれていきます。
(取材日:1995年)